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1、経営方針(診療方針)の明確化

1-4 人間観の理解(1)-2化学的管理法における人間観
フレデリック・テーラーの科学的管理5原則の④~⑤の解説と歯科人事への応用を考察します。

①労働者には明確で、やや難しいタスクを与えること
②タスクの達成には必要な諸条件を標準化すること
③タスク以上に成果が認められた場合は高い報酬を支払うこと
④タスク以下は損失を負担させること
⑤タスクは一流の労働者でも難しい水準に設定すること

④タスク以下は損失を負担させる
簡単に言えば、目標の報酬を達成できなければペナルティーを与えるということです。しかしながら、歯科人事政策においては慎重に導入するべきでしょう。
それはなぜか?

タスク(標準作業量=ノルマ)が①で定義つけられているように明確であることが前提条件であるからです。従業員に対し、タスクが明確であることは、求人側(経営者側)が経理的な根拠、診療技術的な標準を正確に『伝達しきれる』ことが前提条件であるからです。『伝達しきれる』という意味は、「話す」ということではなく「理解させ、納得を得、実行させられる」という意味で、言い換えれば雇用関係におけるインフォームド・コンセントを成立させることです。しかしながら、双方の能力バランスをとることが現実的に非常に困難なのです。しかし、ペナルティーを与えることは必要でしょう。明確なペナルティーは、従業員の緊張感と責任感を促進します。では、ペナルティー制を導入できることは何か?それは、補綴物の再製、根治の終了報告、消耗品の浪費、機材の破損など、要するに目で確認できることについてでしょう。

例外なのは、診療ミスと患者からクレームが発生した場合等の報告義務である。この義務を怠った場合には、賃金の10%以下のペナルティーを与えるべきでしょう。問題の潜在化は経営の命取りです。ほとんどの方々が、退職していった従業員(勤務医)の後始末で頭を抱えた経験があるはずですが、今後は退職後の責任範囲についても、ペナルティーを含めた書面の取り交わしが必要となってくるでしょう。信用するな、ということではなく、節度ある責任を持たせるべきだと理解してください。(経営者として、人間としての責任を果たしていることが前提ですが。)

また、遅刻、欠勤(特に無断欠勤)についても明確にペナルティーを与えるべきです。ただし、月一度5分遅刻しただけで、賃金の10%に相当する皆勤手当などを減給することには賛成できませn。従業員の言い分はこうです。「5分遅刻して、そんなに減給されるなら、5分残業したら5分の残業代をください。」こうなったら最悪です。こうなると従業員は経営者側のマイナス要素だけを追求し、ネガティブな理論武装を始め、他のスタッフを巻き込んでテロリストと化すのです。こんな例は沢山あります。ちなみに、賃金を減給する場合には、月の賃金の10%以下でなければならないと労働基準法で定められています。勘違いしないで頂きたいのですが、私は何も労基法を100%守るべきだなどと言っているのではありません。少なくとも労基法のポイントを把握しておくべきだと言いたいのです。労働省に怒られてしまうことを覚悟して申し上げますが、使う側と使われる側の間に必要なのは(労基法より大切なのは)道徳と科学と責任とがバランスされた立体的契約(合意=コンセンサス)であると確信しています。

今井 義博

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